● 大屋根の勾配天井が気持ちいい木の家　 2019年7月10日　高島悠

和歌山市内原　板倉造りの家　ロフト増設小梁取付

こちらのお宅は2014年に竣工した和歌山市にある板倉造りの家「コンパクトな空間ながら大屋根の勾配天井が気持ちいい風が流れる木の家」です。
比較的楽に増改築ができるのが木の家「板倉造り」の良いところです。家族のライフスタイルに合わせてロフトを増設したり、可変性に富んだ合理的な造りがこの板倉造りの家です。柱や梁の構造体が現しになって見えているので、新たに柱や梁が増設しやすく空間のイメージも損なわず、他のお部屋と同様の木の空間とすることができます。

今回の工事は家族が増え、これからの生活に備え設計当初より増設を計画していたロフトの増設工事を行っていきます。大きな吹き抜けの一部にロフトを増設するという計画ですが、ロフト増設にあたり既存の梁に新たに小梁を取付していきます。この小梁の取付には大工さんの刻み作業が必要になります。今まで板倉造りを何棟も手掛けてきた大工さんたちです。さすが、難しい木の刻み作業も慣れたものです。

既存の梁のどの位置に小梁を取り付けるか現場の状態から検討し、仕口を造って木を組んでいきます。小梁が取付されると床下地板を施工していきます。２階のホールから続きの空間とするので、床の段差をなくすために床も同様の仕様で造っていきます。床下地の上に根太を組んで床仕上板を施工しますが、根太部分は配線スペースとして活用します。このロフトは壁を造って個室とするのではなく、１階の吹き抜けと一体的な空間とするために縦格子手すりを施工していきます。