ブログ

   

【漆喰の家】住宅の外壁・内装に漆喰を使うメリット、デメリット

こんにちは。
丹陽社一級建築士事務所のオカです。

先日お客様にお引渡ししたお住まいは、白い壁に赤い洋瓦、ヨーロッパ風のかわいいデザインの外観です。

ご主人は、学生時代にドイツ留学の経験があり、ドイツのお家のデザインに魅了されました。ですから、ご自宅を建てる際はこだわりをもって、後悔のない家づくりがしたいと思われていたそうです。この「漆喰の家」は、外壁・内壁とも漆喰で仕上げ、床・天井などは無垢の国産木材を使う自然素材にこだわったお家です。

いろいろ検討された結果、弊社が手掛けている健康住宅、杉無垢材や漆喰を使ったココロとカラダに優しい「漆喰の家」を選んでいただきました。
外観は漆喰の白壁で光に映えて美しい。赤い洋瓦とのコントラストが際立っています。中に入ると、内装の漆喰壁と床の杉無垢フローリングと杉板の天井が清々しく気持ちがいい。これは、自然素材の調湿性をはじめとする性能で癒しの空間を作り出しているのです。

漆喰は昔から、お家の台所などに利用されていました。それは、防火性・湿度調整に優れた素材として活用されていたのです。今日でも、台所・キッチン等の火気使用室では防火性の強い素材で作らなければならないため丹陽社では不燃材でもある漆喰を壁や天井に使っています。また、火気使用室ではない居室の壁・天井、お家の外壁などにもその美しさ優れた特徴を生かすべく使用しています。
しかし、一般のクロス壁と比べて当然値段は高くなります。また、デメリットもあります。それでも漆喰を選ぶ理由はどこにあるのでしょう?もっと言えば、そもそも漆喰とはどのような素材なのでしょうか?

漆喰とは

まず、漆喰と言われてもあまりイメージできない、ピンとこないという方は、数百年も前に建てられ、今なおその白さを保っている「蔵」や「お城」の外壁を想像していただくと分かりやすいかと思います。
今、その漆喰をお家の外壁や壁、天井の素材に使おうと考えるお客様が増えています。それはなぜか。一つには美観、見た目の美しさがあります。昔に建てられた建物の壁が、なぜ白いまま保たれているのか。それは漆喰のもつ独特な特長にあります。
蔵

漆喰の元となっているのは炭酸カルシウムである”生石灰”です。生石灰は、水分を加えることによって生きているかのように膨張し”消石灰”になり、水酸化カルシウムに変化します。さらにここに糊を加えて壁に塗布したあと、空気中の二酸化炭素と反応し、もとの堅い炭酸カルシウムに戻ります。この主成分である炭酸カルシウムは無機質で、静電気を発生させにくくする効果を持っています。

そのため漆喰による外壁はホコリや粉塵を吸着しにくく、また汚れも吸収しにくい特性をもち、お城の外壁などは長年白く保たれているのです。

また漆喰は「強アルカリ性」で、高い抗ウイルス・抗菌作用も持つと言われています。漆喰にウイルスを付着させる実験によると、開始5分で99%が不活性化。開始120分で検出限界まで不活性化したという結果が出ています。例えば鳥インフルエンザが流行した際にも防疫・消毒の効果を期待され、農林水産省で被害が起こった箇所に散布。土の下にも消石灰を埋め、被害の拡大をストップする事に大きく貢献したことでも知られています。

この作用によって、漆喰を外壁左官、内壁の仕上げに使うことで細菌の増殖を防ぎ、外壁ではカビやダニの発生を抑制し、空気を綺麗に保ってくれる働きがあります
 (参考URL:https://estuco-wall.com/blog/4535//

漆喰 内装

お家全体を暖かく保てる漆喰の壁・天井

また、漆喰には優れた断熱性・保温性が備わっています。
近畿大学で長年に渡って研究・調査されてきた、家の温度と居住者の健康との関連性に関する発表の1つに、「断熱を施こされた家と、そうでない家とでは、そこに住まわれる方の平均寿命が違う」というデータがあります。室温と寿命にどのような関係があるのかというと、同じ家の中でも「暖かい部屋」と「寒い廊下」など、激しい温度変化があることがヒートショックを起こしてしまう原因になっているということです。

例えば冬場に暖かい布団から寒い廊下やお風呂への移動など、30度にも近い急激な温度変化によるヒートショックは、今やご高齢者にとって交通事故件数よりも多発する事故の1つです。その対策としてお家全体を暖かくし、家の中の温度をなるべく均一にする必要があるのです。そこで漆喰の持つ断熱性(保温性)が家全体を満遍なく暖かく保ち、温度差を軽減することに貢献してくれるのです。

断熱性に関しても、屋外の日当たりのいい場所に建材を置いて比べました。サイディング、外壁用塗料は熱を持っているのに対して、漆喰は触れてもひんやり冷たいのです。それだけ断熱性(保温性)が高いということです。そして、外壁の漆喰は最低でも50年は塗替え不要と考えられています。

漆喰 内装2

このような理由から、「漆喰の家」では、外壁・内壁・天井に自然素材の漆喰を使っています。外壁に使われる漆喰は、長い目で見ればお得なハズ…!

また漆喰にも種類があります。弊社が外壁に使っている漆喰は、主に中に骨材(細かい砂)を混ぜ、日本の漆喰より強固に作られているスペインの「エスタコウォール」を採用しています。ヨーロッパでは中世から使用されている伝統的な漆喰です。とは言え、外壁に使おうと思えば職人さんの人件費を考慮しなければなりません。始めの施工費用こそ外壁用塗料のおよそ2倍かかりますが、長い目で見た場合50年間塗り直しの必要がない漆喰の方がお得であるとも考えられます。しかし、その間”全く”経年劣化をしないと断言することはできませんので、ご相談いただくお客さまにはしっかりと考えられるリスクや対処法、詳細をご説明させていただいた上で適切な材料選びをしています。

漆喰のメリット・デメリット、ご納得していただけましたか?
漆喰を勧めるようになるまで、弊社は乾燥に強い素材として、今でもバスマットなどで見かける「珪藻土(けいそうど)」を使用しておりました。しかし、珪藻土はそれ自体で固まる事が出来ず、どうしても接着させる為に化学物質が混入した接着剤を使用するものが多くあります。そういった点でも漆喰は弊社の考えと合点が行くもので、これも壁・天井・外壁にお勧めしている理由の1つです。

さて、今回は漆喰に関してお伝えいたしました。

私たち丹陽社ではお客さまの目に見えない箇所でさえも、できる限り化学物質を使わない家づくりをご提案しています。そしてお客様と一緒に、最適な素材でお住まいをつくっていきたいと考えています。
これからマイホームの建築をご検討される方、現在検討中で材料選びに困っている方など、
漆喰のことも含め、自然素材や健康住宅についてはお気軽に私たちにご相談ください。
ご連絡はこちらから

—————————————————————

~ 大阪で漆喰の暖かい家を建てるなら丹陽社へ! ~
丹陽社のホームページ → https://tanyosha.co.jp/

~ Facebookでも情報を更新しています ~
丹陽社のFacebookページ → https://www.facebook.com/tanyoshapage

—————————————————————-

\ 家づくりの資料をお届けします /

無料の資料請求のお申し込みはこちら
板倉造りとは? イベント・見学会お申し込み 資料のご請求 メールでのお問い合わせ