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室内の温熱環境の快適性について

近年、日本の住宅は断熱性能の見直しが進められてきています。昔の日本の住宅は断熱性能についての意識が低く、改善が進められるようになったのは比較的最近のことです。
なぜ住宅の断熱性能が見直されるようになったかですが、断熱性能が不十分な住宅に住む高齢者が冬場に室内の部屋間で生じるヒートショックが原因で亡くなられる等、住宅の性能が影響していると考えられる家庭内での事故が多く発生していることが一つの理由です。このような事故を考えても健康に生活をしていくためには室内の温熱環境の改善を図り、安心できる住宅を造っていくことがとても重要です。
ここでは、室内の温熱環境の「快適性」とはどのようなものかについて触れてみたいと思います。

室内の温熱環境の快適性について

■暑さと寒さを感じる仕組み

人間の体温は37℃位で体の中から熱を出しています。この体の代謝から発生する熱をうまく外に出すために皮膚の血管を拡張させて、皮膚の表面温度を高くしています。
暑い時には汗をかいて熱を下げようとし、寒いときには震えて体温を高めようとし、体は体温が一定になるように調整しようとします。

■温熱環境に関わる6要素

人が感じる温熱環境に関わる6つの要素として、まず4つの要素として空気温度、放射温度、気流速度、湿度という要素が影響しています。これに人がどれくらい服を着ているかの着衣量とどのくらい代謝があるかの代謝量という2つの要素を加えたものが温熱環境を表す6要素となります。

■温熱環境の指標

体からの熱は対流・放射・蒸発・伝導と呼吸で逃げていく熱によりバランスを保っています。これにより体温は一定となり、皮膚の温度が快適な環境になると暑くもなく、寒くもないといった状態になります。熱的に快適な状態を予測する指標として予測平均温冷感申告(PMV)というものがあります。このPMVは-3(寒い)~+3(暑い)までで評価され、0のときが快適な状態として評価され、-0.5~+0.5の間が快適範囲とされています。
このPMV(予測平均温冷感申告)の温熱環境によりどれくらいの人が不満足や不快と感じるかを指標を示したものが予測不満者率(PPD)です。PPDは10%以下が理想とされています。PPD10%以下とは、10人中9人が快適と感じ、1人が不快と感じている状態のことです。
このPMVとPPDを快適範囲内に収めることで快適な室内環境を創ることができると考えられています。

■快適性の条件

暑くもなく寒くもないという状態だけでは快適とは言えず、局所によって不快と感じることもあります。この局所不快感の要因には、放射の不均一・床の温度・上下温度分布・ドラフトが関わっています。例えば、冬場の室内では天井面は暖かい空気が溜まり、窓面では外部からの冷えにより冷気を感じやすくまた、その冷気は床面に集まりやすいといったように室内で温度差が生じます。このように上下温度差が生じると人は不快と感じてしまいます。不快感を生じさせないためには、足元のくるぶしの高さと頭の高さの温度差は3度以内とすることが良いとされています。
上下温度差を少なくするためには、建物の断熱性(外皮性能)を高めることが効果的で、断熱性を高めることで室内でできるだけ温度差が生じないようにすることが重要であることがわかります。

■男女差での違い

室内の快適性には、男女によっても感じ方に差があると考えられています。室内の過ごしやすさについて、オフィスの室内で男女それぞれで測定された結果では、快適と感じる中立温度に差があり女性が室温25℃~26℃で快適に感じているのに対し、男性はこれより1℃~3℃高い室温で快適と感じていることがわかったそうです。
このように温度の快適さは男女や個人で差があるということなので、できるだけ多くの人が快適と感じられる空間とするためにも建物の断熱性能を高めて室内温度に大きな変動が起きにくい環境にしていくことが大切ですね。

 

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