木愛の会 大徳寺の数奇屋建築 ~京都
先日、木愛の会という、建築家で京都大学教授の高松伸さんが主宰する
セミナーに行ってきました。
今回は、日本の伝統建築、数奇屋建築の第一人者、中村外二工務店の
中村義明社長の説明で、重要文化財の大徳寺真珠庵と高桐院を
見学するのです。
大徳寺の駐車場に定刻の30分前につきました。
でも、10分前になっても駐車できません…。
この日は真球庵の特別公開の日で人が多くつめかけているのです。
名古屋からバスを運転してきた、東海林さんに急遽連絡して大徳寺の
観光バスの駐車場に停めさせてもらいました。
数奇屋建築の中村外二工務店の中村義明社長の案内で一休さんゆかりの
京都の大徳寺を見学しました。
中でも真珠庵は国の重要文化財に指定されているだけあって、
すばらしい建物でした。
もっとも中村社長の説明がなければ、何がすばらしいのかは
よくわからなかったんですけどね・・・・。
残念なことに真珠庵は撮影禁止、建物にさわってはいけない、
たたみもすり足で歩いてはいけませんと注意されるのです。
ここにある写真は、高桐院のものなんです。
でも、これもすばらしいですよ。
中村社長の説明の中で
日本の建物は、年月を重ねるにつれてより美しくなっていくんだ。
という言葉がありました。
・・・・・・・・・・。
わたしもそういう気持ちで建築を建てていこうといまさらながらに思ったんです。
細川氏ゆかりの高桐院
大徳寺塔頭である高桐院は、慶長6年(1601)に細川忠興(三斎)が
父の幽斎の菩提を弔うために創建された寺だそうです。
三斎は戦国時代切っての智将で有名ですが、歌道、能楽、絵画など
多方面に通じ、とくに茶道は利休七哲のひとりとして
深い関わりがありました。
三斎とガラシャ夫人の墓石には、生前愛好した石灯籠がもちいられています。
中村社長の説明を聞いていると、これらの建物は
人がどこの位置にいて建築をどのような角度で、どう見るか
そしてそれが美しく見えるかどうかという事に
細心の注意を払っているんですね。
当然、庭との関係もよく考えられているんです。
この景観のどこを切り取っても細部には意匠を凝らしているんですね。
細川ガラシャのお墓になっている灯篭のデザインは
すばらしいものだそうです。
プロポーションを考えるには、灯篭は最適の題材なのだとききました。
うーん、灯篭なぁ・・・・。
今まで、そんなこと考えたこともなかったなぁ・・・・。
これからちょっと気をつけてみよう・・・。
信長のお墓のある總見院です。
秀吉のつくった唐門なのです。
中村社長がおっしゃるには、秀吉自身が作業したわけではないのですが
この建物には秀吉がよく出ているといわれました。
建築は、施主の人柄が出るのだそうです。
ふーん・・・・。
いろいろ真剣に見ていますと、やっぱりお腹はすきますよね。
中村社長のお勧めで、精進料理『一久』にて昼食。
屋号は一休禅師からいただいたそうで、五百年にわたって一子相伝の味を守る大徳寺精進料理の老舗です。
精進料理と聞いていたので、あっさりしていて物足りないかなと
思っていたんですが、けっこうボリュームがありました。
そしておいしい。
菜の花の和え物が甘くつけてあって、豆ごはんによく合うんです。
思わずそればっかり食べていました。
そのほかにも湯葉やごぼうなど季節の野菜などの料理がありました。
これは、また改めて食べに来たいなぁと思ったんです。
大徳寺の見学のあと、中村義明氏の自宅を見学させていただきました。
この建物は先代社長、中村外二氏の建てられたものです。
足元は礎石の上に柱の乗っている伝統構法です。
ねずみよけに、あいだに石をつめています。
床の間には明り取りがあり、室内の広がりを外とつなげています。
壁は真壁で中塗りのままで停めてあるそうです。
このふすまの取っ手は、手加工品でかなりの値打ちモノだそうです。
中村外ニ工務店の外観です。
今まで見てきた和風のデザインとはまったく違う建物でちょっと
びっくりしたんです。
中村社長は、建物にあわすために家具をいろいろ集められて
いたのですが、デンマークのいすに魅せられて収集をはじめ
今では、販売も手がけられたいるそうです。
すわり心地のいい、高~い!イスが置いてあります。
また、建物にあう照明を探され、ついには自分のところで
照明器具を作るようになったそうです。
そうだよな~、建物に合うインテリアを考えると行き着く先は
自分で作らないと仕方がなくなるんだよな・・・・。
作業所では、社員の大工さんが、カンナを研いだり
仕口をつくったりしていました。
カンナを研いでいる大工さんを見るのは何年ぶりだろ~。
そして実際に、仕事を見るために現場に行かしていただきました。
ちょうど、南禅寺の敷地内で神奈川より江戸時代の家屋の
移築工事中でした。
古い木組みに合わせるのは、大工さんの技術だろうと思いました。
でも、現場はどこもいっしょだな~。
そして、最後に木愛の会の会長の高松さんの
高松伸設計事務所をみんなで訪問しました。
竹田村ではありません。
高松伸さんはお忙しい中時間をとっていただいて、お話していただき
事務所の中を案内していただきました。
コンクリート打ちっぱなしの室内に、今までの作品の模型が
飾ってあり、ちょっとした異空間でした。
いや~、この日はボリュームが多すぎてなかなかついていけない
感じもありましたが、充実した一日でした。
大いに刺激を受けたんです!!!
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