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日本の住宅の断熱性① 他国との比較

今回は日本の住宅の断熱性についての現状について、少し触れてみたいと思います。
 

今、日本の住宅は変化しようとしています。
住宅の省エネをはじめ、断熱性能を向上させるために国でも省エネの基準を
段階的に引き上げていこうとしています。
最近よく耳にする「ゼロエネ住宅」もその取り組みの一つですね。

日本は世界の中でも先進国として、様々な工業製品や技術で信頼のある国です。
しかし、住宅の断熱性能でいうと、他の国の何倍も低い水準にあるのです。

例えば、日本で高断熱を謳ってる高価なサッシは、ドイツでは、ホームセンターで
畜舎用として乱雑に売られている商品とほとんど同じ性能だったりするそうです。

そして、これを補うかのように、 日本のエアコンは世界的にも
最先端の技術を持っていると言われます。
このエアコンにおいてはドイツの人も驚くほど高性能のようです。

ドイツの人からすると「なぜ、これほどまでの技術をもちながら、
住宅の断熱性能が低いのか」と不思議に思うそうです。

これは日本がドイツと比べ、住宅の断熱性において如何に開口部の影響を
軽視してきたかがわかります。
冬は開口部から熱が逃げ、夏は熱を取り入れてしまうため、高性能のエアコンを
使用し、これを補ってきたのが日本の現状です。

日本の住宅の開口部における熱損失は建物全体の熱損失の30%以上の割合を
占めています。つまり、外壁や屋根などに断熱材を施工するより、
一番大きな割合を占めている窓の断熱性能を向上させることが最優先されるはずです。

しかしながら、実情はこうした開口部による影響は、 断熱性能において、最優先で
取り組まれてこなかったのです。
最優先で取り組まれてこなかったこともあり、高断熱性能のサッシは需要も少なく、
他のサッシと比べても高価であるなどの理由もあり、費用面で負担に なってしまうため、
高断熱性能のサッシの採用が見送られるケースが多いのが現状です。

建物に長く住み続けることを考えると、省エネにも つながるため、様々な
ランニングコストの削減も図れるため、これからの住宅の断熱を考える上で、
開口部の影響を考慮した計画をしていく必要が ありますね。

 

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