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含水率が関係する木材の変形

なぜ木はよく乾燥したものが求められるか?

木は森に立っている状態では、内部にたくさんの水を含んでいます。
含水率というのは、内部に含まれる水の割合で、
木の重みに対し、水の重さがどれだけであるかを
示したものです。

伐採直後の木は含水率が60~100%あり、
杉のように水分が多い木の場合、
含水率200%近いことさえあります。
木の内部には、細胞の空隙にある自由水と細胞壁内で
木の成分とくっついている結合水があります。
木が乾燥するときはまず自由水が抜けていきます。

そして自由水が抜けきった状態のことを繊維飽和点といいます。
この繊維飽和点の含水率は30%程度まで下がります。
これよりさらに乾燥が進むと結合水も抜け始めるにつれ、
木が収縮を始めます。
乾燥が進み周囲環境とつり合い乾燥が止まることを
気乾状態といい、日本では、含水率15%程度がこの状態です。

木の乾燥による収縮度合は、
年輪に接する方向(接線方向)>年輪に直角の方向(半径方向)>木の高さ方向(繊維方向)
というような関係となり、
乾燥の比率としては、20:10:1程度といわれています。

この乾燥収縮の関係からもわかる通り、方向によって
収縮度合が大きく異なるために、木のねじれや反り、
割れといった状態が現れます。
十分に乾燥された木材を使って、家を建てても住んでから
生活の中で乾燥が進むことによって多少のねじれや反り、
割れが発生します。
このような状態が見られるのは木材が一本の木から生まれ
無垢材である証拠とも言えるのですね。

 

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