木の強度と性質
近年、日本に多く存在する木を有効に利用するために建築材料として積極的に木を使っていこうという動きが見られます。これまで木を使った建築は主に住宅と考えられてきましたが、店舗や倉庫、事務所などの中規模の建築物にも木を使ったものが多くなってきました。
木を建築に利用し易いように国としても建築基準法の改正を行ったり、補助金制度を設けるなどの政策を進めてきました。
これからますます建築材料として木に注目が集まると想定されます。様々な建築物への木の使用が考えられるということは、木にはそれだけの強度が見込めるということでもあります。ここでは、木の持つ強度とその性質について少し触れていきたいと思います。
まず、木といっても材種によって強度に差があります。大きなくくりとして針葉樹と広葉樹という違いがあります。針葉樹の代表として杉や桧があげられます。針葉樹の特徴としては、繊維に通直で軽量、加工も容易で大きく育ち易い、そのため建築材料としては主に構造材として使われることが多いです。
一方、広葉樹では代表的なものにケヤキや栗があります。広葉樹の特徴では、硬くて重い分強度が高い、この性質から造作材や建具材として使用されることが多い素材です。自然界で多いのは、この広葉樹と言われています。
同じ木でも針葉樹と広葉樹で強度や使用に適している部分が異なってくるということです。
木の強度というのは、含水率という木がどれくらい水分を含んでいるかの割合によって変わりますが、この含水率が低い(=水分量が少ない)程強度が高く、一般的に構造材で20%以下、造作材で15%以下で使用することが適切だと考えられています。
また、木はどの方向で使用するかの異方性によっても強度に違いが生じます。木には3方向の使われ方があり、①繊維方向(長さ方向)②接線方向(板目)③放射方向(柾目)、のいずれの方向で使用するかによって強度が変わるということです。
木は使い方によって、圧縮の力に強かったり、曲げ(たわみ)の力に強かったり、同じ種類の木でも強度が変わるという特徴を持っています。木は使う用途によって適材適所を考え、材種を選択することで、強度が高い、使い易い、快適な空間が創れる等、建物や物まで幅広く使用できる優れた素材です。
木の強度や性質について理解して使用することで様々な物が造れます。この先、日本の山々に存在する木を使ったものづくりがますます進んでいくことを願っています。
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