葉枯し乾燥
【※2016年9月15日の記事を再編集しています。】
おはようございます。
「和みの一級建築士」オカです。
無垢の材木は、割れが入りやすいと私たちはお客様に説明をしています。
杉などは原木で含水率が200パーセントもあります。
それを20パーセント前後まで落として材木として使用します。
空調が入った室内では、含水率が15パーセントを切るのも少なくありません。
室内が乾燥するとどうしても割れるんですね。
でもやっぱり、割れは少ない方がいいですね。
材木の割れを少なくするために、材木の乾燥方法や
「背割れ」と言って、あらかじめ割っておくということをしています。
乾燥方法には機械で乾燥させる「人工乾燥」や
長い時間土場に置いておいて乾燥させる昔ながらの「天然乾燥」があります。
「人工乾燥」の場合、伐採から10日ほどで建築材料として出荷されることが多いです。
「天然乾燥」は構造材ですと1年から3年の期間がかかります。
すぐ欲しいといっても手配できないですね。
その「天然乾燥」の前に山から木を伐りだした際におこなわれる
「葉枯し乾燥」というのがあります。
「葉枯し乾燥」とは、伐った木材をある一定期間、木の上部の枝を葉がついたまま放置しておきます。
伐られた木は残った葉により内部の水分を蒸散させます。
だいたい3か月から半年、虫のつかない秋冬に、葉を上にして山で寝かせておきます。
水分が蒸散された材木は、軽くなり運搬しやすくなるんですね。
運搬機械がなかった時代、「葉枯し乾燥」は乾燥だけでなく輸送のために意味があったのです。
生産性の問題により「葉枯し乾燥」や「天然乾燥」は少数派なんですが、
私たちは昔ながらの、葉枯し(葉付き)乾燥+天然乾燥の木材を使っています。
それには理由があるのです。