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しっくいのはなし01

【※2016年9月11日の記事を再編集しています。】

おはようございます。
「和みの一級建築士」オカです。

弊社の板倉造りの家の外装と内部の壁の一部にはヨーロッパ漆喰を使っています。
銀いぶしの大和瓦と真っ白の漆喰壁なんて、よく合います。
壁は日本の漆喰のようにすべすべした肌合いではなく
ヨーロッパ漆喰壁の特徴でもあるザットしたテクスチャーが目に心地いいんです。

内部に関しては、自然素材の調湿性もさることながら
漆喰壁によりアルカリ性の殺菌作用があるせいか、なんか気持ちがいいんです。

お客様の評判もなかなかのものです。

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石灰岩や貝殻を釜で焼くと生石灰(きせっかい)になります。
成分は炭酸カルシウムです。

次に生石灰に水を加えますと発熱膨張して消石灰になります。
成分は水酸化カルシウムに変わります。

この消石灰に糊を加えたものが漆喰です。

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漆喰に水を加えて壁に塗り付けると、乾燥後に空気中の二酸化炭素と反応して、
もとの堅い石灰岩と同じ成分の炭酸カルシウムにもどります。

漆喰の特質は、何といっても防火性です。
それゆえ財産を守るため土蔵に使われました。

漆喰壁の土蔵
漆喰壁の土蔵

 

漆喰はまた、湿気を吸集し調節するので季節の変化に耐え、
カビがつきにくい
という性質もあります。
今でも押入れの壁によく使われるのはこのためです。

つまり漆喰は気候が季節ごとに変化する日本にふさわしい建材なのです。

そのほか遮音性や遮光性にも優れています。

逆に漆喰の短所は、乾燥後の収縮率が高いためヒビが入りやすい点です。
これを防ぐために砂やスサを混ぜたり塗り回数を多くしたりします。

日本の腕のよい左官職人は、塗り回数を増やしてもできるだけ薄く仕上げます。
こういうところに職人の技が光るんです。

世界中で漆喰は建築材料としていろいろ使われてきました。

中でも日本において漆喰は職人の伝統技術として発展したんです。

ヨーロッパにおいてもアルプス地方において建物の外壁を漆喰で真っ白に塗った建物が
よく見られますが、左官の専門職というものは生まれなかったようです。

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日本のように細やかな仕上げではなくざっとした荒々しいテクスチャ―が魅力のひとつです。

職人技はいらなかったんですね。

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